自分の感情と向き合おう ケアする側が抱える心の問題

心を閉ざさない環境づくりが大切

生きていると、大なり小なり悩みを持つのが当たり前だといえます。人に言えないような暗い部分が心の中でしこりにように残っている人は少なくないでしょう。それでも普通の顔をしながら毎日生きているのが私たちの社会だといえます。

もしかしたら、ほとんどの人が自分の心の中も本当はしっかりと見れていないのかも知れません。まして、他の人の心の中をすべて見ることは到底無理でしょう。以前、医療や介護現場で看護師による不祥事が話題になりました。はっきりとした原因は最後まで明らかになりませんでした。多くのマスコミは医療従事者が抱えるストレスや心の闇を指摘しました。しかし、心の中に暗い部分を持つのは医療従事者に限らず、多くの人に共通しているのではないでしょうか。

人間には本来強いものを恐れ、弱いものを責めるという本能のようなものが備わっているといわれています。長い戦いの歴史を繰り広げてきた人類の生き残りである私たちには、強い残虐性がDNAの中に刻まれていると指摘する専門家もいます。つまり、今生き残っている私たちは、激しい戦いを勝ち残ったからだという理由からです。もしそうなら、私たちの遺伝子の中に弱者への攻撃がインプットされているのかもしれません。法律や道徳あるいは倫理や宗教という教えによって、辛うじて踏みとどまっているのが今の私たちなのかもしれません。

しかし仮にそうだとしても、すべての看護師が弱い立場の患者を守る最も重要な役割と果たしていることに違いはありません。もし、他の人たち同様、看護師にも心の闇があるなら、家族や友人、職場の同僚などが心を開き、お互いの心の闇を明るく照らすような努力が必要ではないでしょうか。看護の苦労に悩まされている方はこちらをチェック。